小高いところから眺めると、至る所に濃いピンクの桃畑が広がり、どの農家も摘花を急いでいます。

畑の隅や、庭先に1本の樹に濃いピンク、薄いピンク、白の花を付けた花桃を見かけることがあります。この派手でカラフルな花は「源平咲き」と言われ、源氏と平家の旗にちなんだものだそうです。様々な色が出る現象は遺伝子「トランスポゾン」の移動によって引き起こされます。桃の花に含まれる色素はアントシアニンで、その遺伝子配列にゲノム内を自由に飛び回るトランスポゾン(jumping genes)が入り込むと、色が生成されなくなり白くなります。もしくは構造の違うアントシアニンができるとその色調になります。トランスポゾンによる作用は色だけでなく、あらゆるところで変異を引き起こしますが、進化に欠かせない仕組みでもあります。

周りの山々も若々しい緑になって来ました。